双極性障害は、躁状態とうつ状態が交互に現れる精神疾患です。特にⅡ型は、躁状態が軽度な「軽躁状態」として現れ、その一方で、重度の抑うつ状態が特徴的です。双極性障害Ⅱ型の患者は、日常生活に支障をきたすほどの強い抑うつ感を抱えつつ、軽躁状態のときには活発で前向きな感情を感じることがあります。しかし、抑うつ状態に陥ると、エネルギーや集中力が低下し、生活全般にわたる困難が生じます。
起立性調節障害と双極性障害Ⅱ型は、一見すると異なる疾患に思えますが、いくつかの共通点があり、両者の関連性が議論されています。その一つが「体内の調節機能の乱れ」です。
ODは、身体の自律神経系の働きが不安定で、血圧や心拍数の調整がうまくいかないことが原因で起こります。このため、脳への血流が不足し、身体的な不調とともに、心の調子も崩れやすくなります。特に、脳に十分な血液が届かないと、感情のコントロールが難しくなり、抑うつや不安が生じやすくなるのです。
一方、双極性障害Ⅱ型も、脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが原因で、感情の波が激しくなるという特徴があります。特に、抑うつ状態のときには、エネルギーの低下や倦怠感が著しく、ODの症状と重なる部分が多いのです。このように、両者は共に脳の機能不全や血流の問題に関連している可能性があるため、ODを持つ人が双極性障害Ⅱ型を併発するリスクも高まると考えられます。
ODも双極性障害Ⅱ型も、脳の血流に影響を与える点で共通しています。ODにより血圧が低下し、脳に十分な血流が行き届かないと、抑うつ感や気分の変動が激しくなる可能性が高まります。これは、脳が必要な酸素や栄養を受け取れないため、正常な感情の調整ができなくなるためです。
特に双極性障害Ⅱ型における感情の波やエネルギーの変動も、脳内の血流や神経伝達物質のバランスの乱れと深く関係しています。血流が不足すると、脳の特定の領域がうまく機能せず、結果として抑うつ状態が強まったり、逆に軽躁状態に突入する可能性があるのです。
ODと双極性障害Ⅱ型の両方に対しては、包括的なアプローチが求められます。まず、ODによる血流不足を改善するために、適度な運動や血圧の管理、生活習慣の見直しが重要です。また、双極性障害Ⅱ型の管理には、薬物療法や心理的サポートが不可欠ですが、これに加えて身体の調子を整えることで、心のバランスも取り戻しやすくなります。