起立性調節障害(OD)は、血圧や心拍数の調整がうまくいかず、体が急に立ち上がる際に血流が十分に脳に届かないことから、さまざまな症状を引き起こします。
めまい、倦怠感、動悸、集中力の低下などが日常的に現れ、特に朝の起床時に大きな困難を伴うことが多いです。
子どもや思春期の若者に多く見られる症状ですが、近年では成人の間でも同様の症状に悩むケースが増えており、社会生活に大きな影響を与えることがあります。
ODは身体の症状が主ですが、長期間続くことにより心の健康にも深刻な影響を及ぼします。ODに伴う倦怠感や身体の不調は、日常生活を制限し、学校や仕事に行くのが難しくなることがあります。このような社会的な制約が積み重なると、次第に自己評価が低下し、孤立感や無力感が生まれることがあります。これが、うつ病の発症リスクを高める一因となります。
また、起立性調節障害の中には「無気力」や「気分の落ち込み」といった症状が現れることもあり、これがうつ病の初期症状と似ているため、正しい診断が難しいこともあります。ODの症状が長引くことで、心の健康にも影響を及ぼし、抑うつ状態や不安感、さらに重度のうつ病へと進行するリスクがあるのです。
起立性調節障害(OD)とうつ病の関連性を理解するために、重要な要素の一つが「血流」です。脳の血流不足が、身体だけでなく心にも大きな影響を与えることがわかっています。
ODでは、血圧や心拍数の調整がうまくいかないため、脳に十分な血液が行き渡らない状態が続きます。特に、朝起きたときや立ち上がったときに、めまいやふらつきを感じることが多く、これは脳が必要な酸素や栄養を受け取れていないからです。こうした血流の乱れが、身体の不調だけでなく、心のバランスにも悪影響を及ぼすことがあります。
脳は心の活動の中心であり、血流が不足すると、脳の働きが鈍くなります。これが感情のコントロールの低下、気分の落ち込み、集中力の低下など、うつ病に似た症状を引き起こします。脳が十分に機能しないと、自己評価が低下し、物事に対する興味や意欲が失われ、社会的な活動が減少することで孤立感や無力感が生まれることがあります。この一連のプロセスは、うつ病のリスクを高める要因となり得るのです。
ODとうつ病は、身体と心の両方に対する包括的なアプローチが必要です。まずは、起立性調節障害の正しい診断を受け、症状に応じた治療を行うことが大切です。治療には、生活習慣の改善や運動療法、適切な薬物療法が含まれる場合があります。また、心理的なサポートも重要です。心理カウンセリングを通じて、心のケアを並行して行うことで、うつ病の予防や改善が期待できます。
セラピストチューターでは、こうした心身症のアプローチに焦点を当てています。心の問題だけでなく、身体の不調にも丁寧に向き合い、個別の状況に応じたサポートを提供しています。ODやうつ病の症状に悩む方が、安心して相談できる環境を整え、心と体のバランスを取り戻すお手伝いをしています。